ご縁を紡ぎつづける、地域に根ざした事業展開

岐阜自動車輸送株式会社
代表取締役 田島恭子
https://gifujidosyayusou.jp/
安心安全のために妥協しない
「この度のローカルフレンドリー賞の受賞は、70年以上持続可能な事業を行ってきた当社としては非常に光栄です。特に地元の皆さまのご理解とご支持により、ここまで仕事を続けられてきたと感じているため、誇らしく、また嬉しく思います」
そう語る田島氏が牽引するのは、岐阜県は各務原市に拠点を構える岐阜自動車輸送株式会社。トヨタ輸送株式会社の協力会社として新車の配送業務、さらに、岐阜車体工業株式会社で製造された新車の構内移動作業を事業として行っている。
輸送を主とする事業のため、同社が最重視しているのは安心と安全。無事故・無災害で、従業員の安全を確保しながら車体も届けきることを使命としている。「安心と安全のためにできることは妥協せずに取り組んでまいりました。例えば、新車を輸送する際は大型トラックで公共の道路を走りますが、一般の方から見ると威圧感があったり、速度を出せないために迷惑に感じられることも。自社内の敷地でできる業務であれば、従業員共通のルールで仕事ができる一方、公共の道路では同じようにはいきません。そのためドライバーさんには一般の方を優先にしてもらい、安全を優先した結果仕事が遅れても、無事にお届けすることが一番だと周知しています」と田島氏は語る。
また、新車を運びきるために、最前線にいる従業員の働き方にも注力している。「安全に新車をお届けするために、従業員には常によいコンディションでいてほしい。そのような理由から、一人ひとりの事情や声に耳を傾け、臨機応変に対応しています」と田島氏は話す。
例えば、介護の必要性といった理由。同社では昼勤と夜勤があるものの、個人の事情や必要性に合わせて働き方を調整している。また、従業員には完全な体調で業務に臨んでほしいという想いから、体調不良にも迅速に対応し、決して無理をさせない。このように万全を期すことで、従業員一人ひとりが快適に働くことができ、理念を体現しつづけることができるという。実際、安心安全を第一に取り組んできた結果、運送業界における働きやすい職場認証制度の二つ星を取得した実績を誇る。

一人ひとりの働きやすさへの追求
さまざまな業界で人手不足が叫ばれている現代。運送業界もその最中にある。働き方への追求について田島氏は、「特に、採用の際は当社で取り組んできた強みが活きてくると考えています。昨今、運送業界で若い人材を集めるのが困難な理由は時代背景にあります。以前は車をもつことに憧れる人が多く、ステータスとさえみなされる時代でした。しかし、現代では車は移動手段の一つと考えられることが多く、自分自身で購入、および保有したいという方々は減少しているように思います」と語る。
同社の魅力の一つは、走り出す前の新車を実際に見られること。しかし、車に興味関心をもたない人々を惹きつけるには困難を感じたこともあったという。だからこそ、若い人材の採用にあたっては、車そのものを魅力としてアピールするのではなく、快適な働き方や福利厚生が重要になる。昨今は仕事内容のみならず、働き方にも注目が集まっている時代。そのため、田島氏にとって、若い人々の興味関心をどう惹きつけるかは常に関心事の中心にあるという。
さらに、同社は女性の働きやすさにも注力。設備や環境などハード面を整備するだけでなく、働き方への配慮も行うことで長期にわたり勤めてもらうことを理想としている。「従来の運送業界は男性社会のイメージが根強いものでしたが、女性一人ひとりが自分らしく活躍していることは当社の強みでもあります。何より、女性の視点は今までの業界の固定観念を刷新していく力も秘めているのです。例えば、コミュニケーション。声のかけ方一つとっても、共感的なコミュニケーションをすることで、従業員の仕事への向き合い方にもよい変化が生じるのです」と田島氏。また、女性のよりよい働き方を追求することで、求職者にとっても同社の働きやすさを理解してもらうことができ、採用の際にも強みを発揮するという。
トヨタ輸送株式会社から託された仕事を100%こなす役割を担う同社。今後の展望について田島氏は、「築き上げてきた信頼をもとに、今後もご期待に応えられるよう事業を進めていきます。70年以上の歴史をもつ当社はもともと、私の祖父が紡いだご縁から始まった会社です。だからこそ、このつながりは今後も絶やすことなく紡いでいくことが私の使命だと感じています。無事故、無災害、安全に仕事をこなすこと。そして、常に丁寧で、謙虚でいること。これらの初心を忘れず、今回の受賞を励みとして今後も邁進してまいります」と力を込める。同社の理念は「あんぜんを、その先へ」。この理念を体現しつづけるべく、今後も従業員とともに田島氏は前進しつづける。

プロフィール
1990年、不二サッシ株式会社入社。1997年、結婚を機に退職し、子育てに専念。後に、当時父が社長を務めていた岐阜自動車輸送株式会社に入社。2018年、代表取締役に就任し、現在に至る。