限られた時間を力に変えて、フロンティアを切り拓く

2025.12.01

合同会社社長のミカタ
CSO 佐藤伸次
https://www.syachonomikata.com/

倒産、心筋梗塞を乗り越えて掴んだ、デジタル社会への使命感

既存の常識にとらわれず、新たなビジネスのフロンティアを切り拓いた経営者を讃える「笠井信輔のBUSINESS FRONTIERS賞」に、合同会社社長のミカタのCSO・佐藤伸次氏が選ばれた。会社経営に携わる傍ら、ライフプランを学べるスクールの運営、書籍の出版、カレンダーの販売など、自身のノウハウの発信を精力的に行う佐藤氏。その原動力について尋ねると、「私には遠回りしている時間がないのです」と語った。

高校卒業後、町工場で働いていた佐藤氏は、時間をお金に変える働き方に限界を感じ、努力がそのまま収入につながるセールスの世界へ、30歳で足を踏み入れた。実力に甘んじないために「社内成績1位になったら次の会社へ」という方針を掲げ、3社を渡り歩き、行く先々で1位を獲得。その実績が評価され、海外リゾート会社にヘッドハンティングされる。

しかし、外国リスクによって会社は倒産し、佐藤氏はお金も財産も人脈もすべて失ったという。さらに心労の影響からか、追い打ちをかけるように心筋梗塞を発症。当時の状況について佐藤氏は「私と同時に搬送された方がいたのですが、その方は亡くなられたと聞きました。それだけに、“自分は生かされた。これはいただいた命なんだ”と強く感じました」と振り返る。

こうした経験が原動力となり、限られた時間の中で最大限の結果を出すことに注力するようになった佐藤氏は「医者には“次はない”と言われています。立ち止まる気が起きないので、逆に良かったのかもしれません。人間は放っておくと楽をしたがる生き物ですから、神様が仕組んでくれたチャンスなのかもしれないと捉えています」と語る。

生きていることへの感謝の想いは、佐藤氏をデジタル技術による社会課題の解決へと向かわせた。「AIやIoT、ブロックチェーンなどの新しい技術が台頭しており、今後ますます日本はデジタル社会になっていくでしょう。ただ、多くの企業のデータは海外企業のサーバーに保存されています。デジタル化が進むほど扱うデータ量は増え、海外依存が進みやすいのです。だからこそ、国産サーバーの普及が急務だと考えています」と力強く語る。

「ブレーキ」の整備こそ急務。優秀な仲間と描く、成熟したデジタル戦略

現在、多くの企業がDXを進め、AIなどを活用して新たなビジネスモデルを生み出そうとしている。佐藤氏はこれを、企業が未来に向けて“アクセル”を踏み込む行為に例える。そして、その一方でデータ保護体制や管理基盤の整備といった“ブレーキ”が追いつかない現状もあると指摘する。経営者や技術者がDX推進に夢中になるあまり、安全性や国内管理の重要性にまで意識が及ばないことも少なくない。佐藤氏はこうした視点を持ち、成熟したデジタル戦略を掲げている。

他者とは異なる発想を持つ背景について尋ねると、佐藤氏は「仲間の存在が大きいです。さまざまな方に支えられていますが、特に共に働くエンジニアが非常に優秀です。アメリカの大手電気自動車メーカーの新規サービス開発チームに招聘されるなど、世界で戦える人材がそばにいる環境です。そのため自然と考え方が洗練され、世間に先駆けた動きができるのかもしれません。どれだけデジタル化が進んでも、人との関わりは重要です。ハイレベルな方々と過ごす時間を増やすことが、自分自身のより良い人生にもつながると思います」と語る。

こうした仲間と出会うための行動として、佐藤氏は「発信がおすすめです。自分の夢や目標を周囲に話したり、SNSに投稿したりすると、それに反応してくれる人が意外と多く存在します。そこから思わぬ形で支援や情報を得られることもあるのです」と話す。

発信に抵抗を感じる場合については「プライドを捨てれば良いのではないでしょうか。プライドを捨てて周囲に助けを求められる人は強いです。他人の夢を否定する『ドリームキラー』は必ずいますから、最初から存在する前提で行動することが大切だと思います」と述べ、強い意志を持った行動の重要性を説く。

最後に佐藤氏は、未開拓領域を切り拓こうとする人々へこうアドバイスする。「仕事は変えられますが、今の人生を別の人生に変えることはできません。だからこそ、仕事の目標よりも人生の目標を大事にしてほしいです。人生の主役は自分です。一度きりの人生で何をしたいのか。後悔のないように、自らの想いを発信し、信頼できる仲間と挑戦することで、あなただけの奇跡を起こせるはずです」と締めくくった。倒産や心筋梗塞といった困難を乗り越え、力強く人生を歩む佐藤氏の今後の活躍が楽しみだ。

プロフィール

高校卒業後、町工場で働くも収入が伸びず、30歳でセールス業界へ転職。計3社で経験を積み、それぞれの会社で日本一の実績を上げ、海外リゾート会社にヘッドハンティングされる。しかし外国リスクで倒産し、さらにその後、心筋梗塞を2度発症する。お金と健康の大切さ、人への感謝の想いを強く感じ、逆境を乗り越え夢を叶える生き方を実践。自身の経験をつづった『人生を楽しむ為のレシピ』がAmazon8部門で1位を獲得する。そのほかカレンダーの販売や楽曲配信などを通して、後悔のない人生を送るためのメソッドを発信している。